症状固定後の治療費は、相手方から支払われますか(交通事故)No.146

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、交通事故のコラムです。

 

 

 

 交通事故の相談で良くあるご質問として、今月末で症状固定予定ですが、来月以降の治療費を相手方に請求できますか?というものがあります。

 

 これは、認められるのでしょうか。

 

 

 

 結論から申し上げますと、原則として、症状固定後の治療費を相手方に請求することはできません(ただし、将来治療費が認められるレアケースもあります)。

 

 もっとも、このことは、保険会社が治療費を打ち切った場合、それ以降の治療費を回収する術がない事を意味するわけではありません。

 

 ここが難しいところなのですが、保険会社の治療費打ち切り日=症状固定日というわけではありません。

 

 症状固定日を決めるのは、保険会社ではなく、医師だからです。

 

 そうなると、保険会社が打ち切り日を定めたとしても、医師がまだ治療の必要があると判断している場合、未だ症状固定日には至っていないと言えます。

 

 

 

 

 この場合には、自賠責への被害者請求や相手方保険会社への請求によって、打ち切り後の治療費の回収ができる可能性があります(ただし、相手方保険会社への請求は、訴訟になる可能性が高いです)。

 

 そうなると、打ち切りの提案がされた交通事故被害者の方の動きで大事なのは、主治医とコミュニケーションを取り、保険会社の打ち切り=症状固定日となるのかどうか、確認するということになります。

 

 まとめますと、症状固定日以降の治療費は、原則、賠償の対象にはならないけれども、保険会社の打ち切り日≠症状固定日であるため、保険会社の打ち切り後の治療費も回収できる可能性があるということでした。

 

 ただし、実務上、多くの主治医が保険会社の治療費打ち切りと症状固定日を同一と捉えているという現実もあります(本当は、全く別概念です)。

 

 

 

 以上、今日は、交通事故に関するコラムでした。

 

 

 

 

 弁護士 立花志功

2022年09月28日