実質1円と一括1円の違いから、契約の「文言」を考える(雑記)No.150

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、雑記コラムです。

 

 

 

 先日、携帯電話のバッテリーがあまりに劣化していたため、携帯電話を購入しに行きました。

 

 そこでは、iPhoneが「実質1円」と書かれていたり、「一括1円」と書かれたりしていました。

 

 そこで私は、迷わず、一括1円のキャンペーンに参加することにしました。

 

 これは何故でしょうか・・・

 

 

 

 これは、同じ「1円」であっても、その契約の内容には、天地の差があるからです。

 

 携帯電話をあまり変えない方であれば、ご存じないかもしれませんが、「実質1円」とは、利用者が本来的には、機種代金の返済義務を負っているところ、様々な割引でその「負担額」の1円になるまで、免除されているにすぎません。

 

 具体的には、今、多いのが、2年後に携帯電話の本体を返還することで、初めて、その時点の残債務が免除されるというものです。

 

 そうすると、実質1円の場合、契約の内容と携帯電話の返却の有無によっては、機種代金を1円以上、負担させられる可能性があるということになります。

 

 

 

 

 一方で、「一括1円」とは、機種代自体が1円ということになります。

 

 もちろん、1円になる条件は、諸々あるのですが、購入時点で、機種代金が1円となり、その後の契約で、残債務が継続しないというものになります。

 

 このように、同じ「1円」でも、「実質1円」と「一括1円」でその内容はかなり違うものになります。

 

 皆さんも、契約や和解などの重要場面では、その「文言」の意味をよく検討した方がよろしいかと思います(法律では、同じような文言でも全く別の概念を示しているということは結構あります)。

 

 

 

 ちなみに、一括1円の携帯電話は、一般的に機種としての性能が最新機種に比べ、劣ることが多い点には注意が必要です(型落ちの機種が多いです)。

 

 以上、今日は、実質1円と一括1円の違いコラムでした。

 

 

 

 弁護士 立花志功

2022年10月04日