調停前置主義ってなんですか(離婚事件)No.154

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、離婚事件に関するコラムです。

 

 

 

 離婚を選択肢に入れている方で、相手方とのお話がまとまらない場合、訴訟ではなく、「調停」というプロセスを経るのが、一般的です。

 

 これは何故でしょうか。

 

 

 

 理由は簡単で、離婚の場合、「調停前置主義」というルールがあるからです。

 

 これはどういうルールかというと、協議離婚が成立しなかった場合、原則として、まずは裁判ではなく、調停を経なければならないというルールです。

 

 それゆえ、日本では、離婚の話がまとまらない場合、まずは調停へ進んでいくことになります。

 

 もっとも、調停と当事者の話し合いでは、強制力がないため、殆ど差がなく、事件の解決が期待できないのではないか・・・と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

 確かに、調停は訴訟ではないため、必ず一定の結論を得られるというわけではありません。

 

 しかしながら、調停には、調停の良さがあります。

 

 

 

 

 まず、調停は、裁判のように、強制的解決ではなく、話し合いによる解決を志向するものであるため、柔軟な解決があり得るという点が挙げられます。

 

 また、間に第三者が入るため、当事者間の協議に比べ、争いが激烈になりにくいという点もあげられます。

 

 このように、調停には調停のいいところがあり、それを期待して、離婚には、調停前置主義が設けられております。

 

 

 

 

 一方、このような調停では解決できないことがあり、調停で解決できない事件は、皆様ご存じの裁判に進むことが多いです。

 

 このように、離婚事件は、協議→調停→裁判のように、ステップアップ形式で事件が進んでいき、交通事故やその他の一般事件のように、どのような手段を取るかについて、必ずしも請求者に柔軟な選択権があるというわけではございません。

 

 弁護士としては、強制力が低い方法で解決する方が、依頼者様のストレスは少ないと考えるのですが・・・どうしても折り合いがつかないという場合には、勿論、とことんお付き合いいたします。

 

 

 

 以上、今日は、離婚前置主義の概括的な説明でした。

 

 

 

 弁護士 立花志功

2022年10月11日