既往症と賠償金の関係 No.17

 どうも、札幌の弁護士の立花です。


 今日は、交通事故がテーマです。

 


 交通事故では、示談段階になって、相手方保険会社より、交通事故被害者に既往症(素因減額)があるとして、10~50%程度の賠償金減額がなされるときがあります。


 この主張は、交通事故被害者に発生している症状が、交通事故以外の別の要因も重なって発生していることを前提とした主張です。


 しかしながら、依頼者様としては、もともとなかった症状が、交通事故後に発生しているのだから、その原因の「全て」が交通事故によるものであると反論したいと考えるのが通常だと思います。

 


 では、どのように反論すればよいのでしょうか。

 

 

①まず、相手方保険会社の主張が、医学的に根拠のある主張であるのか検討する必要があります。


 私の体感では、保険会社は、画像などの医学的な初見が無いのにも関わらず、高齢者の事故であるからなどと紋切型に既往症の主張をしてくることが結構多いです。


 これについては、相手方保険会社に根拠を示させることが有効なことがあります。

 

 


②また、仮に画像上、身体に年齢相応の変性があったとしても、判例上、疾患に当たらない程度の変性は、賠償金を減額するに足る既往症にはなりません。


 そこで、既往症の性質を把握し、それが疾患(病気)のレベルに達しているかを判断する必要があります。

 

 


③さらに、もし、既往症が存在し、賠償額を減額するに値するレベルの既往症だとしても、賠償額の減額の度合いが保険会社の主張するレベルに大きいのかを判断する必要があります。


 いずれにしても、既往症が問題となる事案では、相手方保険会社の主張をしっかり検討する必要がございます。

 


 もし、示談交渉の段階になって、既往症のお話が出たら、迷わず弁護士に一度相談ください。


 そのまま示談をしてしまうと、損をする可能性がございます。

 

 


 交通事故のご相談は、無料です(宣伝)。

 

 

 

 

 弁護士 立花志功

2022年03月11日