どうも、札幌の弁護士の立花です。
今日は、交通事故のコラムです。
交通事故に遭われて、車が壊れましたという場合、納得感はさておき、損害をいくらとするかの「計算方法」には、一定の決まりがあります。
では、自転車に乗っていた場合や歩行者であった場合で、事故によって身に着けていた「衣服」や「バック」などのいわゆる「着衣物」が損壊した場合、その賠償はどのように計算するのでしょうか。
私は、この点につき、これまで様々な文献を確認してきましたが、決まった計算式を確認することは、できませんでした。
もっとも、実務的には、こういう計算が多いよというものをいくつかお教えします。
1つ目の手法としては、簿記上の計算にならって、減価償却による残存価値を計算するという方法です。
例えば、4年は使える2万円のコート(1年使用済み)というものの場合、このコートの価値の計算は、2万円-(2万円÷4年×1年)=1万5千円ということになります。
もっとも、この計算の欠点は、購入から何年も経っている着衣に関しては、殆ど価値がないものとして計算されてしまうという点が挙げられます。
もう一つの計算手法としては、そのものの推定時価を計算するというものです。
これはどういうことかという、損壊した着衣物と同じものを中古市場において何円で買えるかによって、そのものの価値を算定するという方法です。
この方法は基準が明確である一方、ブランドものなど、中古市場において入手できるものにしか使えないというデメリットが存在します。
皆さんは、着ている服と全く同じものを中古屋さんで見つけることができますか?私はできません。着ている服が全て安物で中古では値段がつかないものだからです(笑)
このように、どちらの方法によっても着衣物の価格を計算することは容易ではなく、結局はざっくりベースで損害額が決まることも珍しくありません。
以上、今日は、「着衣物」に関する損害計算方法についてのコラムでした。