駐車場内の事故の厳しい見通しになることが多いです~過失割合と人身損害の話~(交通事故)No.183

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、交通事故のコラムです。

 

 

 

 交通事故相談でかなり多い相談と言えば、駐車場での事故です。

 

 駐車場内の事故は何故、相談が多いかというと、ズバリ、過失割合に納得できないケースが多いからです。

 

 駐車場内の事故は、双方、それなりの過失割合が取られるケースが多いです。

 

 これは、駐車場内は、車が特に出入りする場所であるため、双方に相当程度の注意義務があると判断されるためです。

 

 では、保険会社から高い過失割合を提示されたときに、それを納得するしかないのでしょうか。

 

 

 

 

 正直な話、駐車場内の事故だと、泣き寝入りせざるを得ないケースも少なくありません。相談でもそう回答することもあります。

 

 ですが、ドライブレコーダーなどで事故の映像がある場合には、過失割合を争う余地がないわけではありません。

 

 結局、駐車場内の事故であっても、被害者に事故に対する予見可能性や回避可能性がなければ、被害者の過失割合は、無い又は小さくなります。

 

 それゆえ、駐車場内の事故で、過失割合を少なくするためには、こういった、被害者に有利な事情を主張していくことになり、これができれば、過失割合を争う余地があります。

 

 

 

 

 しかしながら、やはり駐車場の事故の過失割合を争うのは至難の業です。

 

 さらに駐車場内の事故でもう一つ厳しい見通しになるものがあります。

 

 それは、人身の損害額です。

 

 

 

 

 駐車場での事故は、双方車両のスピードが出ていないことも多く、物的損害も小さいことが多いです。

 

 保険会社は、このような点を指摘して、怪我の具合が小さいのではないか、ひどいと治療が必要な程、怪我はしていないのではないかという主張をしてきます。

 

 そして、このような主張は、場合にもよりますが、裁判所、ひいては自賠責も認めることがあります。

 

 それゆえ、駐車場内の事故の相談を受けたときは、人身損害額について、極めて低い程度となる可能性があることも視野にいれ、回答しています。

 

 

 

 

 このように、駐車場内の事故は、見通しとして、結構厳しいことも多く、弁護士的には、厳しい回答をせざるを得ないこともそれなりにあります。

 

 ですので、駐車場内では、特に気を付けて運転して欲しいと思います。 

 

 以上、今日は駐車場内での事故は厳しい結果となることも多い・・・というコラムでした。

 

 

 

 弁護士 立花志功

2022年12月16日