どうも、札幌の弁護士の立花です。
今日は、ITに関するコラムです。
最近、何かと話題の開示請求ですが、皆さんが思うより、開示は難しいです。
その理由は3つあります。
まず、法律的に難しいということが挙げられます。
皆さんが、これはひどいと思う書き込みであっても、開示の要件を法律的に満たさないことは結構多いです。
これはなぜかというと、開示を求めるためには、①その書き込みが誰について書かれたものか判別できること、②その書き込みが権利侵害をしていること、③その書き込みが違法であることを満たす必要があるからです。
この3つのハードルをクリアするのは結構難しく、こりゃひどい・・・と思う書き込みであっても、誰について書かれたものかわからなかったり、書いた人の批評・評価に留まる場合には、この要件をクリアすることができないのです。
次に、技術的に難しいという点が挙げられます。
仮に法的には開示の要件を満たしたとしても、通信会社や運営会社の都合上、開示が技術的に不可能ということもそれなりにあります。
それゆえ、法律的に開示が認められたからといって、確実に投稿者も分かる・・・ということはできないのです。
最後に費用の点で難しさがあるということもあげられます。
開示請求は、通常、複数回の審理が必要となり、結構、手間と時間がかかります。
そうなると、どうしても弁護士費用がかさんでしまいます。
にもかかわらず、違法な書き込みを行った者から受領する賠償金は低額なことが多いです。
そうなると、費用の観点からいうと、開示請求をするのが難しいという問題も生じ得ます。
最近は、開示請求が少し簡単になる法整備はされましたが・・・未だ結構難しいです。
開示請求には、こういった課題がありますが、それでも開示を行いたいというご相談はかなりございます。
ぜひ、インターネットトラブルにお困りの方は、お気軽にご相談下さい。
以上、今日は、開示請求が難しいとされる理由についてのコラムでした。