ペットに関する損害賠償請求の小話(法律雑記) No.23

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、ペットに関する法律小話をします。

 

 私(弁護士立花志功)は、ペットと言えば、カブトムシやメダカ、金魚くらいしか飼ったことがないのですが、メジャーなペットと言えば、犬や猫ですね。

 

 では、この犬や猫が、第三者からの行為で傷つけられたらどうなるのでしょうか。

 

 


 まず、民法上、犬や猫は、「物」として扱われます。


 愛する犬や猫が「物」というのは、なんだか納得いかない話ですね。

 


 しかしながら、犬や猫は、法律上、あくまで「物」となっていますので、犬や猫が第三者の故意や過失によって傷つけられた場合、交通事故で言う、「物損」のように処理されていくことになります(民法709条)。

 


 また、仮に、故意(意図的)に犬や猫が傷つけられた場合、刑事事件(器物損壊罪)にもなりえます。

 


 このように、犬や猫が「被害者」の場合、「物」が壊れた・壊された場合とパラレルに考えることになります。

 

 

 


 一方で、犬や猫が第三者に損害を与えてしまった場合、どうなるのでしょうか。

 

 これについては、犬や猫が直接賠償責任を負うわけではありません。

 

 

 犬や猫は、「物」ですので、民法上の権利の客体にはなれないからです。

 

 そこで、民法は、動物占有者の責任(民法718条)という規定を置いております。

 


 この規定は、動物の占有・管理を行うものは、相当の注意をしない限り、動物が第三者に与えた損害を賠償する責任を負うことを定めた規定です。

 


 このように、ペットが第三者に危害を加えた場合、「ペット」ではなく、「飼い主」等が直接、責任を負うことになるのです。

 

 

 


 以上より、ペットに関する損害賠償といっても、ペットが「加害者」か「被害者」かで、処理の仕方が違うのです。

 

 皆様が家族同様でかわいがっているペットさん、事故の「加害者」にも「被害者」にもならないのが一番ですね。

 

 その点、我が家のペットである「マリモ」(藻を丸めた商用マリモです)は、決して法律問題を起こさないので、優秀です・・・

 

 

 


 以上、法律小話でした。

 

 

 

 弁護士 立花志功

2022年03月22日