開示請求事件は、「泣き寝入り」案件なのか?(IT)No.222

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、インターネット事件に関するコラムです。

 

 

 

 

 インターネットにおける誹謗中傷に対し、開示請求をして、加害者から賠償請求を取りたい・・・そういう方が最も直面する問題は、「費用倒れ」の問題だと思います。

 

 インターネットにおける誹謗中傷は、誰により行われているか分からないことが通常です。

 

 そうなると、発信者情報開示請求を行うことになるのですが、この費用、結構馬鹿になりません。

 

 なぜ、この費用が高いのかというと、仮処分や発信者情報開示命令という法的手続きを取らなければならないところ、こういった手続きには、弁護士がほぼ必須であり、その分の弁護士費用が掛かるからです。

 

 でも、その分、弁護士費用は、加害者に請求すればいいのでは?と思うかもしれません。
 

 

 

 

 確かに、一面においては、その指摘は正しいです。

 

 実際、加害者との交渉や訴訟の中で、開示関連費用を払ってくれるパターンはそれなりにあります。

 

 しかし、一方で、相手方に資力がない場合はどうでしょうか?

 

 

 

 この場合、仮に裁判まで行っても、「無いものは払えない」として、実際上、回収できないケースもあります。

 

 一般の事件であれば、弁護士が受任する前に、相手方に資力(お金)があるかをチェックして、なさそうであれば、事件の依頼を断るということもあります。

 

 しかしながら、開示からの賠償請求だと、そもそも誰が加害者なのか、やってみないと分からないこともあり、結果的に資力がなかったということもあり得ます。

 

 それゆえ、インターネット事件は、費用倒れ、泣き寝入りが起きやすい事件類型かなと思います。

 

 

 

 

 最近、インターネット事件でご相談を受けることは多いですが、ここに関しては要注意かなと思います。

 

 当所では、受任前にあらかじめ見積もりを示しますので、そこをうまく活用してもらえればと思います。

 

 以上、今日は、開示請求事件は、「泣き寝入り」なのかに関するコラムでした。

 

 

 

 弁護士 立花志功

2023年05月18日