交通事故治療で労災も適用できる場合の注意点…(交通事故)No.263

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、交通事故のコラムです。

 

 

 交通事故で、相手方保険会社や自賠責が使用できる場合でも、その事故が通勤災害などの労災も適用できる状況である場合、労災も使用することが可能です。

 

 このこと自体は、これまでのコラムでも説明してきました。

 

 ですので、保険会社が治療費の支払いを拒否してきた場合、場合によっては、労災で助かる・・・ということも全然あります。

 

 

 

 ただ、労災適用事案では、注意しなければならないこともあります。

 

 まず、労災適用事案には、健康保険が使用できないということが挙げられます。

 

 これを聞いたときに、労災は、治療費が労災から出るので、健康保険は問題にならないじゃないか・・・とお思いかと思います。

 

 これは、その通りです。しかし、労災を「使っていない」労災適用事例でも、健康保険を使用できないことは、意外と見落としがちです。

 

 ですので、労災が使える事故で、労災を使わず治療を行ってきた場合で、保険会社から打ち切りがなされたから、次は健康保険を使って自費で治療したい・・・という場合でも、健康保険を使用できず、10割負担になることがあり得るのです(医学上は症状固定となっていないが、保険会社が治療費を打ち切って来た場合など)。

 

 

 

 また、労災を使用する場合には、労災側が治療の必要性、相当性を判断するという点も盲点になりがちです。

 

 労災は、一般に治療費の支払いの判断が緩やかではありますが、労災を使用しようという時期によっては、治療費が支払われないということもあり得るのです。

 

 交通事故について、労災保険を使用することは、基本的に有益ではありますが、万能とまでは言えないところには、注意が必要です。

 

 

 

 以上、今日は、労災適用事案の交通事故に関してのコラムでした。

 

 

 

 弁護士 立花志功

2024年09月22日