同乗者の過失割合の考え方(交通事故)No.266

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、交通事故のコラムです。

 

 

 

 家族や友達が運転する車に同乗し、事故に遭った場合、運転者と相手方の間で過失割合が決まるのが通常だと思います。

 

 その時、運転者にも過失割合が1~3割程度つくことは、それなりにあります。

 

 この時、運転しておらず、同乗しているだけの自分にも、過失割合が付くのでしょうか。

 

 結論、過失割合が付く場合とつかない場合があります。

 

 

 

 法律上、同乗者に運転者同様の過失割合が付く場合とは、運転者と同上者の関係が、「身分上ないし生活関係上一体をなすとみられるような関係」である必要があります。

 

 ここにいう身分上ないし生活関係上の一体性とは、簡単に言うと、「財布が一緒」というような関係です。例としては、同じ世帯の親族などが挙げられます。

 

 では、このような関係がない場合、必ずし、同乗者は運転者の過失に関係なく、損害額全額が賠償を受けるべきなのでしょうか。

 

 答えとしては、そうではありません。

 

 実は、同乗者が過失割合を考えず、全額相手方へ請求することには、問題点もあります。

 

 

 

 具体的には、相手方は全額支払った後、その金額のうち、運転者過失分を運転者に求償(払い過ぎた分を回収するようなもの)することが可能なのです。

 

 そうなると、結果として、同乗者が全額回収したとしても、運転者は、そのうちの自身の過失分を相手方へ支払わなければならないこととなります。

 

 これでは、相手方対運転者・同乗者チームで見ると、過失割合を適用する前後で運転者・同乗者チームで受け取れる金額は、変わらないことになります。

 

 このように、同乗者に運転者の過失割合を適用せず、全額の支払いを受けることは、結果として、意味がないケースも多いです。

 

 ただし、ここから一歩進んで、同乗者が相手方・運転者双方の自賠責を使える、いわゆる「二自賠」のケースや同乗者と運転者に何らの人的関係がない場合などは、別です。

 

 

 

 ごめんなさい、今日のコラムは、書いていて、私としても説明が難しいです(笑)

 

 雑なまとめですが、過失についてよくわからなければ、ご相談下さい。

 

 以上、本日は、交通事故のコラムでした。

 

 

 

 弁護士 立花 志功

2025年02月06日