どうも、札幌の弁護士の立花です。
今日は、交通事故でよく疑問に持たれる方の多い、既払金についてお答えします。
交通事故で、最終的な賠償金額案を保険会社から受け取った際、よくある疑問として、「既払金っていう金額が損害額から控除されていますが、これは何ですか？」というものがあります。
ズバリ、既払金とは、これまでに相手方が支払った金額のことを指します。
ここで、人によっては、「こんな金額、私は受け取ってないよ！」という声が聞こえてきそうですが、実は、その金額、支払われています。
具体的には、保険会社が病院に支払う治療費です。
ここで、「治療費が何十万円にもなっているのは、おかしい！」という反論があり得るかと思います。
しかしながら、交通事故の治療費は、数十万円以上になることは、珍しくありません。なぜなら、交通事故の治療は、健康保険を使わない１０割患者負担で行われることが多いからです。
さらに、治療費がかかっていたとしても、これを賠償金額から控除するのは、おかしい！という声もたまに聞きます。
しかしながら、保険会社が負担する治療費とは、交通事故被害者である患者が病院に本来払うべきものを代わりに払っているものであります。
そう考えると、患者側にすでに支払われていると考えることができますね（保険会社→患者→病院のお金の流れを 保険会社→病院 と直接行ってもらったと考えられます）。
このように、既払金が、最終的な賠償額の算定の際、控除されるのは、賠償実務からは当然なのです。
もっとも、この考え方は、法律にあまりなじみのない方であれば、疑問を持つのも当然かと思います。
もし、保険会社から示談金の提示があり、疑問がある項目があれば、お気軽にお問合せ下さい。
