どうも、札幌の弁護士の立花です。
今日は、交通事故のコラムです。
交通事故に遭われ、顔や体に傷や変形が残存した場合、外形が、醜く変化したとして、「醜状障害」が認定されることがあります。
この醜状障害、相手方保険会社より、後遺障害逸失利益につき、争われる可能性がかなり高いです。
なぜなら、醜状障害は、交通事故被害者の労働能力に影響を与えないという判断がなされることが多いからです。
どういうことかというと、顔の傷や体の一部分の変形があっても、交通事故被害者の将来の収入には何の影響もないという主張がなされます。
これに対し、交通事故被害者がモデルや接客業であれば、身体の傷や変形によって、将来の稼ぎは減ることが考えられるため、反論が可能です。
では、モデルや接客業以外の方には、逸失利益が発生しないのでしょうか。
この点、色々な反論が考えられますが、一つあり得る反論としては、その傷や変形が生じた部位の等級認定に痛み等の症状も含まれている場合、その影響も考慮するべきであるというものが挙げられます。
ほかには、現在の仕事に大きな影響がなくとも、将来的な転職や昇進の可能性が醜状障害によって、減少するという反論もあり得ます。
その他、ウルトラC的な解決として、後遺障害逸失利益が否定された場合であっても、後遺障害慰謝料の増額は、なされるべきであるという反論もあり得ます。
もちろん、仕事の状況等によっては、訴訟によって、現在の仕事への悪影響を詳細に反論することで、逸失利益が認められることもあります。
このように、醜状障害が問題となる事案では、相手方保険会社と損害額について熾烈な争いになることが多いです。
もし、醜状障害でお困りのことがございましたら、保険会社と示談する前に、弁護士にご相談なさった方が良いかと存じます。