どうも、札幌の弁護士の立花です。
今日は、交通事故のコラムです。
交通事故事件を受けていると、相当の頻度で質問を受ける内容が、「交通事故事件で得た慰謝料や損害賠償金に、税金ってかかりますか?」というものです。
税金は、支払うことでお金を失うことはもちろん、単に確定申告を行うだけでもストレスが溜まるので、できれば避けて通りたいものです。
では、交通事故の慰謝料や損害賠償金に税金はかかるのでしょうか。
結論から申し上げると、原則「かかりません」(非課税)です。
では、どういう理屈なのでしょうか。
まず、一般的な交通事故被害者様は、個人であるので、個人に関する税金の規定を参照する必要があります。
個人が支払う税金で、所得に関する税金・・・そう、所得税の規定を参照する必要があります。
そして、所得税法9条1項18号や所得税法施行令第30条1号~3号等では、交通事故にまつわる一定の損害項目について、非課税とするという扱いが規定されています。
交通事故の賠償金がなぜ非課税かというと、交通事故の賠償金は、「事故によってへこんだところを元に戻している」だけだからです
もし、交通事故の賠償金に税金を課すと、税金分、被害者が単に損をすることになります。交通事故の賠償金は、「プラス」ではなく、「マイナス」を「ゼロ」に戻しているだけなのです。
ただし、交通事故の賠償金に課税関係が生じないというのは、「原則」の話であり、一定の場合、課税関係が生じることがあります(詳しくは、国税局のサイトなどをご参照下さい 所得税のみならず、相続税にも留意する必要があります)。
もっとも、一般的、典型的な交通事故被害者の方には、課税関係が生じないのが通常です。
ですので、交通事故に遭われた方は、あまり税金にナイーブになる必要はありません。
以上、今日は、交通事故の賠償金に対し、税金がかかるのかというお話でした。