後遺障害診断書を書いてくれません。どうすればよいですか(交通事故)No.80

 どうも、札幌の弁護士の立花です。

 

 今日は、交通事故のコラムです。

 

 交通事故の治療が終了したにも関わらず、まだ症状が残っている状態のとき、その症状は、後遺障害に該当する可能性があります。

 そして、治療終了したことを保険会社に伝えると、保険会社より、「後遺障害診断書」を医師に書いてもらうよう言われることがあります。

 

 そこで、主治医に「後遺障害診断書」を書いてもらうようお願いすると、大体のお医者様は、快く記載して下さいます(費用はかかります)。

 しかしながら、お医者様によっては、「後遺障害診断書」を書いてくれない方もいらっしゃいます。

 

 

 

 この場合、強制的に「後遺障害診断書」を書いてもらう方法はないのでしょうか。

 

 

 結論から言うと、強制的に「後遺障害診断書」を書いてもらう方法は、「ありません」。

 

 お医者様が、「後遺障害診断書」を記載しないと言っている場合、書いてもらえないのです。

 もっとも、ここで、これまで医師とコミュニケーションを図って来た方だと、自分に症状が残っていることや、後遺障害診断書が無いと困る旨を伝えると、しぶしぶ書いてくれるということもございます。

 

 また、弁護士が介入し、患者の救済のためには、後遺障害診断書が必要なことを力説するなどし、後遺障害診断書を記載するようお願いすると、やはりしぶしぶながら、書いてもらえることもございます。

 

 

 

 しかしながら、一定数、それでも「後遺障害診断書」を書かないというお医者様もいらっしゃいます。

 

 その場合、強制的に「後遺障害診断書」を書いてもらうことができない以上、もはやどうすることもできないというのが実情なのです。

 そういった意味では、交通事故被害者が適切な賠償を受けるためには、少なくとも「交通事故被害者に理解のない医者は避ける」必要があるのです。

 

 もちろん、こういったお医者様も治療の腕が良かったり、親身になって話を聞いてくれるというケースも多いのですが・・・

 

 

 

 後遺障害診断書を書いてくれない医師では、後の賠償問題に直面したとき、極めて大きな不利益を受けてしまう・・・というのが実情なのです。

 

 このような事態にならないためには、病院選び、ひいては医師選びが重要です。

 

 一方で、重要ではありますが、医師の選択は、最終的には、被害者側の自己責任でもあります。

 

 事故から数か月経ってからでは、保険会社は病院の変更を許さないことが多いです。

 

 しかしながら、事故直後であれば、病院を変えることは可能です。
 交通事故被害者様の自衛としては、せめて治療の初期段階で、医師の選択だけはしておくのがベストかと思います。

 

 

 

 弁護士 立花志功

2022年06月15日